野球肩でお悩みの方へ

― 投球時の痛みは“体からのサイン”。そのまま投げ続けていませんか? ―

「投げると肩が痛い」
「投球後、肩の奥がズーンと重い」
「フォームを変えても痛みが改善しない」

こうした悩みをお持ちの野球選手は少なくありません。特に学生や社会人の投手、外野手、捕手など、頻繁にスローイングを行う選手に多く見られるのが、「野球肩」と呼ばれる症状です。

野球肩は、単なる筋肉痛ではなく肩の関節・腱・靭帯に何らかの障害が起きている状態です。放置するとパフォーマンスの低下だけでなく、長期離脱や将来的な後遺症につながる恐れもあるため、早期の対応と正しいケアが非常に重要です。

このページでは、野球肩の原因・症状・治療法・予防法まで、整骨院の視点からわかりやすく解説していきます。


【野球肩とは?】

野球肩とは、繰り返される投球動作により肩関節周囲の組織に炎症や損傷が起こるスポーツ障害の総称です。

肩関節は「肩甲骨」「上腕骨」「鎖骨」などで構成され、非常に広い可動域を持ちます。その分、腱板(けんばん)や靱帯、関節包など多くの軟部組織に支えられているため、繰り返しの負担に弱いという一面もあります。

特に投球動作は、短時間に肩関節へ瞬間的かつ強い外旋・内旋・牽引力が加わる動きです。これが長期間続くことで、筋肉や腱の炎症、関節構造の損傷、可動域の異常が起きやすくなります。


【代表的な症状と種類】

野球肩と一口に言っても、実際にはさまざまな症状があります。以下は代表的な例です。

■ 腱板炎(けんばんえん)

肩の深部にあるインナーマッスル(棘上筋など)に炎症が起こる状態。投球時の引っかかり感やズキっとした痛みが特徴です。

■ 上腕二頭筋長頭腱炎

肩の前側の痛み。投げ始めやリリース時に痛む場合はこのケースが多いです。

■ SLAP損傷(スラップ損傷)

肩関節の上部にある軟骨(関節唇)が引き剝がれる障害。クリック音や脱力感、痛みを伴います。投手に多く、重症例では手術が必要になることも。

■ 肩峰下インピンジメント症候群

腕を上げたときに腱板や滑液包が肩峰に挟まり、痛みや引っかかりが生じる状態。スムーズに腕が上がらないなどの症状も。

■ ルーズショルダー(関節弛緩性)

過剰な柔軟性により肩関節が不安定になっている状態。痛みよりも“抜ける感じ”や“投げた後に肩が重い”と感じることが多いです。


【主な原因】

野球肩の発症には、以下のような原因が関係しています。

  • 投球フォームの崩れ

  • 肩・肩甲骨周囲の筋力不足やアンバランス

  • 柔軟性の低下

  • 投球数の過多(オーバーユース)

  • 体幹や股関節の可動性の低下

  • ウォーミングアップ・クールダウンの不足

  • 姿勢不良(猫背・巻き肩)

特に学生野球では、成長期の骨や筋肉に負担がかかりやすく、未成熟な状態での過剰投球がリスクを高めます。投球フォームだけでなく、全身の動きや連動性を見直すことが重要です。


【整骨院での施術・サポート】

当院では、痛みの原因を明確にし、再発を防ぐ体づくりを目指した施術を行っています。

● 初期評価(動作チェック・検査)

  • 投球フォームや姿勢、肩関節の可動域を確認

  • インナーマッスルや肩甲骨の動きを評価

  • 必要に応じて医療機関と連携し、画像検査を推奨

● 急性期の処置

  • アイシング・電気治療などで炎症を抑える

  • 安静指導と痛みの出ない範囲での可動域訓練

  • 投球禁止の期間や内容の調整(チームと相談)

● 回復期の施術

  • 手技療法で筋緊張を緩和し、肩の動きを改善

  • 肩甲骨の安定性を高めるトレーニング

  • 体幹・股関節を含めた全身の連動性トレーニング

  • 再発防止のためのフォーム指導・動作修正

当院では、単に痛みを取り除くだけでなく、「なぜ痛くなったか」を徹底的に分析し、根本改善を図る施術・指導を行っています。


【自宅でできるセルフケア】

症状に応じて、次のようなストレッチやエクササイズを行うと効果的です(※必ず専門家の指導を受けてから行ってください)。

  • 肩甲骨はがし(可動域の改善)

  • 棘下筋・小円筋のストレッチ

  • チューブを使ったインナーマッスル強化

  • 上腕二頭筋の軽いストレッチ

  • 肩・股関節の連動トレーニング(体幹安定)


【よくあるご質問】

Q. 痛みがあるけど投げ続けてもいいですか?

基本的にはNGです。 痛みは炎症や損傷のサイン。悪化する前に評価を受けましょう。

Q. 整形外科と併用してもいいですか?

→ はい、可能です。当院では必要に応じて病院と連携し、画像診断などの案内も行っております。

Q. 手術が必要になることもありますか?

→ SLAP損傷など一部の重度例では手術が検討されますが、多くは保存療法で改善可能です。早期対応がカギです。


【こんな方はすぐご相談を】

  • 投球時や投球後に肩に痛みが出る

  • 肩が引っかかるような感覚がある

  • 腕が上がりづらい、抜ける感じがする

  • 投球フォームを意識しても改善しない

  • 整形外科で「異常なし」と言われたが痛みが取れない


【まとめ】投げ続けるために、今しっかり治しましょう

野球肩は、正しいフォームと身体の使い方を取り戻すことで再発を防げる障害です。
痛みを「そのうち治る」と軽視せず、今のうちにしっかり治しておくことが、長く野球を続けるための第一歩になります。

当院では、野球経験者やスポーツ専門のスタッフが対応し、一人ひとりの状態に合わせた施術・アドバイスを行っています。
肩の痛みで悩んでいる方、フォームを見直したい方、ぜひお気軽にご相談ください。

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